ガイドエラー許容値の計算
ずっと星が見れないので、オートガイドの精度について考えてみます。
まず、オートガイドカメラと撮影用のキャノンEos X9iの撮像素子は
ガイドカメラQHY5L-ⅡM
画素数 1.2M pixel (960x1280x)
チップサイズ 3.63 x 4.83mm
ピクセルサイズ 3.75 x 3.75μm
X9i
画素数 24.2M pixel (4000x6000)
チップサイズ 14.9 x 22.3mm
ピクセルサイズ 3.72 x 3.72μm
というカタログ値です。
ガイドカメラとX9iのピクセルサイズは大体同じような値なので少し楽です。
X9iの各焦点距離での画角は次のようになります。
画角 (X9i)
200mm 4.27° x 6.395°
600mm 1.423° x 2.130°
1260mm 0.6776°x1.0141°
2000mm 0.4269° x 0.6389°
1ピクセルあたりの画角は次のようなります。
1ピクセルあたりの画角 (X9i)
200mm 3.842″
600mm 1.281″
1260mm 0.610″
2000mm 0.384″
上の1ピクセルあたりの画角から、200mmガイドスコープで1ピクセル以内のガイド精度では約3.8″の精度になり、0.5ピクセルで制御できれば1.9″の精度になると思います。
前回の200mmガイドスコープPHD2の画面ですが、左下のRMS Errorはtotalで0.58ピクセル2.22秒のガイドエラーの値でした。
次に星像について考えてみます。
光の回折によって点像の星が膨らみ円の像になります。これをエアリーディスクと言い、エアリーディスク径は内側の1番明るい円の半径です。
エアリーディスク径=1.22 x λ x F
λは光の波長、FはF値です。
LX90はF10なので光の波長の平均的な値のグリーンでみると約6.5μmになります。
レデューサを使うとF6.2なので約4.0μmです。
X9iのピクセルサイズは1辺3.72μmでエアリーディスク径は半径なので星像の直径は
F10では6.5/3.72 x 2 = 3.50ピクセル
F6.2では4/3.72 x 2 = 2.02ピクセル
これは理想値であり望遠鏡の主鏡、副鏡、補正レンズの精度、ピント精度などによりもっと大きくなると考えられます。
天体撮影をしている方々のブログを参考にして、あるブロガーの方は星像の1.5倍をガイドエラーの許容値にしていたのでそのまま真似させてもらいました。
撮影画像のガイドエラー許容値(ピクセル値)
F10 2000mmでは 5.25ピクセル
F6.2 1260mmでは 3.03ピクセル
これに1ピクセルあたりの画角を掛けると
ガイドエラー許容値(画角)
F10 2000mm では2.016″
F6.2 1260mmでは1.848″
以上の計算によってガイドエラーの許容値は2″程度、±1″が当面の目標値とします。
間違えがあったら教えてくださいm(__)m